遺言書はそのままで!

故人の葬儀も終わり、遺品の整理をしていたらタンスから封筒がでてきた。
そこには「遺言書」と書かれていて封印がされている。

遺言書なんて書いていないと思っていたからびっくりした。早速、開封して中身を確認してみよう。そう思うのが人情でしょう。

しかし、封筒に入った遺言書はその場ですぐに開封しないでください。開封する前に、一家に一冊はあるであろう六法を開き、民法第1004条第3項と第1005条を確認してみましょう。(民法の最後の方からページめくるのをお勧めします。)

そこには「封印のある遺言書は家庭裁判所において、相続人又はその代理人の立会いがなければ開封することができない」「裁判所外で開封した者は、5万円以下の過料に処する」と書いてあります。

勝手に開封できないのです。

しかし、そうはいっても早く中身を見たい。5万円払うから、今すぐ開封したい。そう思ったとしてもやはり、開封するのは得策ではありません。仮に遺言書があなたにとって有利な内容だったとしましょう。「全財産をあなたに相続する」とか書かれているかもしれないですよね。

そうすると、他の相続人はどう思いますか?あなたがちゃんとした手続きを踏まずに開封した遺言書であることをもって「それは偽造された遺言書だ!」と争ってくるかもしれないですよね。そうなってしまえば裁判になりますから、裁判費用などで過料の5万円よりも多額の費用がかかり、また、家庭裁判所で開封するよりもはるかに長い時間を要することになってしまいかねません。

ここは、はやる気持ちをぐっと堪えて、ちゃんとした手続きに則って開封しましょう。そうすることで、無用な争いも避けられ、亡くなった方の遺志がしっかりと実現できるようになるのです。

投稿者プロフィール

八王子の社会保険労務士・司法書士 出口勇介
八王子の社会保険労務士・司法書士 出口勇介
東京都八王子市にて、社会保険労務士・司法書士をしております。

1988年3月22日生まれ
三重県伊勢市出身(伊勢神宮がすぐ近くにあります。)
伊勢の美しい海と山に囲まれて育ったため穏やかな性格です。
人に優しく親切にをモットーとしております。
写真が趣味でネコと花の写真をよく撮っています。