スタッフブログ ~椿~ 2024.6.24

ようやく梅雨入りの知らせが届き、

職場からの帰り道も色とりどりの紫陽花を見るのが楽しみになっています。

仕事が終わって家事に取り掛かるまでの時間、

美しい花を見て幸せと思える気持ち、そんな時間を大切にしたいと思います。

私は、21世紀職業財団認定のハラスメント防止コンサルタントでもありますので、

今回は、『パワーハラスメント』の基礎知識について、書かせて頂きます。

ハラスメントとは?

一般的になった「ハラスメント」という言葉ですが、

ハラスメントとは、人を悩ますこと地位や立場を利用した嫌がらせのことと意味します。

ハラスメントは、上司から部下に対してだけでなく、

人間関係においても権力を持っている人がそれを背景に嫌がらせを行うことも該当します。

周りの人たちも誰に従えば自分が

そこで働きやすいか敏感に感じて勤務している場合には、

実際にパワーを保持している人がパワハラを行っているのを知っていても、

周りも助けてくれず、嫌がらせを受けている人は、

一人で戦い続けるのも消耗してしまい、離職してしまうケースもあるのではないでしょうか。

たとえ、加害者にそのつもりがない場合でも、相手を傷つける行為、

苦痛を与える行為はハラスメントに該当します。

本当に自分が当事者にならないと分からないこともあると思いますし、

今現在も悩みを抱えながら勤務されている方もいらっしゃると思います。

パワーハラスメントの定義とは?

パワーハラスメントの定義は

職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であって、

業務上必要かつ相当な範囲をこえたものにより

その雇用する労働者の就業環境が害されることです。

そして、職場のパワーハラスメントは

優越的な関係背景とした言動であって

業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより

労働者の就業環境が害されるもの

このすべてを満たすものであって、

客観的に見て業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導は、

職場のハラスメントには該当しません。

職場におけるハラスメントと聞くと、

上司から部下、先輩から後輩というイメージを持つ方の多いかもしれませんが、

職位にかかわらず、同僚間であったり、パソコンやIT知識に長けている部下が、

知識の不足する同僚や上司に対して暴言を吐くことも該当します。

たとえば、新しく抜擢された新任の上司を、

部下全員で無視するような場合も該当します。

ハラスメントの5つの類型

ハラスメントには5つの類型があります。

 ①身体的な攻撃

→殴打、足蹴り 相手に物を投げつける

②精神的な攻撃

→人格を否定するような言動。必要以上に長時間にわたる厳しい叱責

 他の労働者の面前で大声で威圧的な叱責を繰り返す

③人間関係からの切り離し

→故意に仕事から外したり、長期間、別室に隔離したりする

 一人の労働者に対して同僚が集団で無視をし、職場で孤立させる

④過大な要求

→長時間にわたる、肉艇的苦痛を伴う過酷な環境下で勤務に直接関係のない作業を命じる

 労働者に業務とは関係のない私的な雑用の処理を強制的に行わせる

⑤過小な要求

→その人には見合わない簡単なレベルの仕事につかせ、退職に向かわせる

  気に入らない労働者に対して嫌がらせのために仕事を与えない

⑥個の侵害

→本人のプライベートなことをしつこく詮索したり、

 飲み会の参加を強要したりすること、労働者の性的指向・

 性自認や病歴、不妊治療等の個人情報について、

 本人の了解を得ずに他の労働者に暴露する、実際に暴力を受け、

 医師の診断書などがある場合や、他の労働者の証言が

 あればわかりやすいのですが、他の人に分からないようにこっそり行われたり、

 録音しようと思ってもすぐには出来ない場合もあると思います。

過去の判例をみても、いつどこで何が行われたか、

メモを取ったりすることも有効かと思われます。

ハラスメントの問題意識は年々高くなり、

2022年4月1日から施行されたパワハラ防止措置については、

中小企業も含めすべての企業について以下のことが義務付けられています。

事業主の方針等の明確化および周知・啓発

相談窓口を設置し、担当者が相談内容や状況に応じて、適切に対応できるようにすること

パワハラに関する事後の迅速かつ適切な対応 再発防止対策など

また、労働者が事業主に相談したことを理由として、

事業主が解雇その他の不利益な取り扱いを行うことは、

労働施策総合推進法において禁止されています。

法律が制定されたからといっても、まだ十分に周知がされてなかったり、

ハラスメント問題がなくなることはすぐには難しいかもしれませんが、

自分の周りでハラスメントが起こった場合、傍観者にならず、

一人一人が自覚を持つことが必要だと思います。

まずは一人で悩まないで、周囲の頼れる人、

信頼できる人に話をしてみることは大切です。

周りに頼れる人、話せる人がいない場合、

私たち社会保険労務士に相談することも思い出して頂きたいと思い、

今回はこのテーマを取り上げさせて頂きました。

職場でのハラスメントは心を傷つけるだけではなく、

働く意欲を削ぎ、業務の生産性を低下させ、

時として労災に発展するということを忘れてはならないと思います 。

投稿者プロフィール

椿
特定社会保険労務士の椿です。
ファイナンシャルプランナー、両立支援コーディネーター、ハラスメント防止コンサルタントでもあります。
休日は友達と好きなアーティストのライブに出かけてリフレッシュしています。