カスタマーハラスメントについて ~椿~ 2024.09.09

今夏後半は、南海トラフ地震臨時情報や

台風など自然の驚異を感じることが多かったように思います。

生活備蓄品の確認、断水や停電への備え、避難場所の確認などの大切さをあらためて考えさせられました。


さて、先日、「カスタマーハラスメント」のセミナーを受講する機会がありました。

とても、有益なセミナーで現況を知ること出来、とても勉強になりました。

私は、ハラスメント防止コンサルタントでもあるのですが、毎年状況は変化し、

また、最近多くの企業がカスタマーハラスメン対策に向けて動き始めていると感じています。


一例として、JALグループとANAグループは、「カスタマーハラスメントに対する方針を」を共同で策定したと報道されてましたね。

また、東京都議会はカスハラ防止条例の制定を検討しているようです。


カスタマーハラスメント増加の一因はSNSの普及があると言われているようです。


そこで、カスタマーハラスメントについて基本的なことをまとめてみたいと思います。

「カスタマーハラスメント(カスハラ)」とは?

「カスタマーハラスメント(カスハラ)」とは、顧客が企業に対して理不尽なクレーム・言動をすることをいいます。


厚生労働省が作成した「カスタマーハラスメント対策マニュアル」では、以下のとおり定義されています。

カスタマーハラスメントの定義

顧客等からのクレーム・言動のうち、当該クレーム・言動の要求の内容の妥当性に照らして、

当該要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なものであって、

当該手段・態様により、労働者の就業関係が害されるもの

※厚生労働省「カスタマーハラスメント対策マニュアル」


具体的には、以下のような行為がカスタマーハラスメントに該当すると言われています。

  • 店員をひつように長時間怒鳴りつける
  • 大声での暴言・罵声
  • 店員に土下座を要求する
  • 不手際のお詫びに、店舗の商品を無料で提供するようにしつこく要求する
  • 言いがかりをつけて返金や値下げを要求する
  • 従業員へのつきまとい
  • 要求を繰り返して揚げ足を取る


昔から、日本には「お客様は神様」のような考えがまだ一部残っているのかもしれませんが、

カスタマーハラスメントについて対策を講じている企業は増えてきたようです。


自分一人で解決しようと我慢したり、頑張り過ぎると、パフォーマンスや、

やる気は低下しますし、眠れなくなったり、メンタル不調に陥ったり、

結局は体調を崩して、退職してしまう方もいるのではないでしょうか?

ひつようなカスタマーハラスメントを受けていたら出勤したくなくなるのは当然だと思います。

自分一人でかかえこまない、カスタマーハラスメントに遭遇している人を見たら、

周りの人が助けることも大切だと思います。


2022年2月、厚生労働省は「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」を発表し、企業としての対策強化を行うよう推進しています。


企業は従業員を守るだけではなく、企業の資産、時間の損失や生産力の低下等を避けるためにも

カスタマーハラスメント対策を進めることが求められています。


たとえば、いつもクレームを言って怒鳴っている人がいると、お店の雰囲気は悪くなり、

他のお客さんへの対応も遅れ、そのようなお店には、もう行きたくないと思ってしまいますよね。

正当なクレームは改善につながることもあると思いますが、不当な理不尽な要求は、

就業環境を悪化させ、企業にも深いダメージを与えることになると思います。

業種によっても、カスタマーハラスメントの判断基準は違いがあるかもしれないので、

各社が前もって判断基準を明確にして、企業内の考え方を明確にした上で現場と考えを共有し、

従業員向けの相談窓口を設けたり、マニュアルを作成し、

顧客からの迷惑行為や悪質なクレームに対する研修を実施することは事前の準備として求められると思います。


職場は、家庭よりも長い時間を過ごす場所でもあります。誰もが安心して快適に働ける職場を目指すのが大切だと思います。


※「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」についての詳細は、コチラ↓↓

https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000915233.pdf

投稿者プロフィール

椿
特定社会保険労務士の椿です。
ファイナンシャルプランナー、両立支援コーディネーター、ハラスメント防止コンサルタントでもあります。
休日は友達と好きなアーティストのライブに出かけてリフレッシュしています。
スタッフ 利奈

前の記事

熱中症について