健康経営について ~椿~ 2024.11.05

ようやく暦に合わせるかのような陽気となり、山々の紅葉が楽しみな時季になりました。


さて、私は、社会保険労務士の先生方と名刺交換する機会が多いのですが、

最近、名刺に「健康経営エキスパート」と書かれている方が多くて、気になっていました。

みなさんは『健康経営』という言葉をご存じでしょうか。

健康経営とは?


健康経営とは、企業が従業員の健康を積極的に管理し、労働生産性や企業価値を向上させる取り組みのことで、

組織の経営戦略に組み込むことを指します。


従業員の健康が経営に与える影響は非常に大きく、健康な職場環境が生産性向上や業績向上に直結するとされています。

健康経営とは従業員等の健康管理を経営的な視点で考え戦略的に実践することと言われています。


それには、日本が抱えている労働力不足の問題が大きくかかわっているようです。

なぜ健康経営が必要なのか?

それは、これから日本は少子高齢化社会が促進し、労働力不足が一層深刻になると予想されているからです。


特に、今でも人手不足が問題になっている中小企業の経営は厳しくなると言われています。


さらに、労働力人口の高齢化が進み、企業の定年延長が進めば、生活習慣病や癌のほか、

老化に伴う疾患により医療費が増加することも企業にとって大きな負担となります。


新たな雇用も大切ですが、現在雇用している従業員に出来るだけ長く会社で働き続けてもらうための取組みも重要です。

従業員が働きやすい環境整備が整えば、人材の定着率向上にもつながり、

明るく働きやすい職場が実現することで、優秀な人材の流出を減らすことにもつながります。

健康は、私たち一人一人が管理して気を付けなければならない問題ですが、

従業員の健康管理に力を入れ、従業員が健康であれば組織自体が健康になり、

経営においても、その環境づくりは益々大切になってくると思われます。

健康経営の具体的な取り組み

健康経営の具体的な取り組みとして、

  • 定期検診の受診率を上げる
  • 精密検査が必要な場合には再診を促し、早期発見・早期治療に努める
  • 50人未満の事業場においてもストレスチェックを実施する
  • 従業員を対象に禁煙教室や健康セミナーをおこなう
  • 時間外労働時間や休日労働を削減する
  • 特別休暇日数を見直す
  • 治療と仕事の両立支援を推進する
  • 年次有給休暇の取得率をあげる

また、優良な健康経営を実践している大企業や中小企業等の法人を「見える化」することで、

従業員や求職者、関係企業や金融機関などから社会的な評価を受けることができる環境を整備することを目的に、

日本健康会議が認定する健康経営優良法人認定制度があります。

この制度には規模の大きい企業等を対象とした大規模法人部門と、

中小規模の企業等を対象とした中小規模法人部門の2つの部門があり、健康経営優良法人に認定されると、

健康経営優良法人ロゴマークの使用が可能となる他、自治体や金融機関においてさまざまなインセンティブが受けられるそうです。


また、健康経営優良法人に認定されると対外的なイメージが向上し、

「社員を大切にする会社」という印象を与え、企業価値を高めることにもつながるでしょう。


みなさまも誰もが幸せにつながる「健康経営」に向けた取組みを進めてみませんか。


※「健康経営」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。

投稿者プロフィール

椿
特定社会保険労務士の椿です。
ファイナンシャルプランナー、両立支援コーディネーター、ハラスメント防止コンサルタントでもあります。
休日は友達と好きなアーティストのライブに出かけてリフレッシュしています。