業務改善助成金について ~椿~ 2024.11.05

日が暮れるのが一段と早くなって、朝晩の冷え込みに晩秋の訪れを感じます。

私の周りには風邪をひいている人が多いのですが、皆さんはお元気でお過ごしですか?

今日は、最低賃金の改正に伴い注目を集めている業務改善助成金について説明させていただきます。

業務改善助成金とは?

10月から東京都は、最低賃金が1113円から1163円に改定されましたが、

仕事を効率よく進めるために必要な設備やシステムを導入し、

賃金をあげることに取り組む事業主にその設備等にかかった費用の一部を助成するのが業務改善助成金です。

申請スケジュール

まず、申請スケジュールですが、

申請期限は令和6年12月27日

事業完了期限は令和7年1月31日です。

この事業完了期限とは、業務改善助成金を使って導入したものの納品かつ支払いを完了させる期限になります。

車の導入を考えている場合は、納品に時間がかかる場合があるので、要注意です。

この助成金はかなり人気があり、予算が上限に達した場合は、早めに締め切ることがあるそうです。

業務改善助成金は、事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)を30円以上引き上げ、

生産性向上に役立つ設備投資等を行った場合に、その設備投資等にかかった費用の一部を助成する制度です。

ポイントとなるのは、交付決定後に事業を進めるということと、全額が支給されるというわけではなく、

最低賃金引上げにプラスで行った設備投資等に対して一部助成金が支給されるということです。

対象となる事業者は?

助成の対象者なる事業者は

・中小企業・小規模事業者であること 

・事業場内最低賃金と地域の最低賃金の差が50円以内であること

解雇・賃金引下げなどを行っていない事業主であること

いう条件があります。

そして、会社単位ではなく、事業所単位で申請が出来るので、

工場と事務所に対象になる労働者がいる場合は、それぞれ申請が可能になります。

対象となる設備投資は?

対象となる設備投資としては、これまで認可された一例として、

機器・設備の導入では、POSレジシステム導入や、リフト付き特殊車両の導入などがあります。

また、設備だけでなく

社会保険労務士などの国家資格者による経営コンサルティング

顧客管理情報のシステム化なども対象です。

   

対象となる従業員は最低賃金から50円以内で、入社後3か月以上の方が対象になり、

雇用保険社会保険の加入要件はありません。

助成の上限額は賃金をどれだけ引き上げるか

(30円・45円・60円・90円コース)の4段階で決まることになります。

支給金額

支給金額は、引き上げる額と、引き上げる労働者数によって

それぞれ助成される金額の上限が変わってきます。

業務改善助成金の最大額は、600万円になります。

賃金引き上げに当たっての注意点として

地域別最低賃金の発効に対応して事業場内最低賃金を引き上げる場合、

発効日の前日までに引き上げて いただく必要があります。

東京都の場合、発効日の10月1日は過ぎているので、

今回の引き上げの改定額に対応する引き上げは対象外となってしまいますが、

これからも最低賃金は上昇するとおもわれますので、

先を見越して今から賃金の引き上げを考えている事業主はご検討ください。

また、引き上げ後の事業場内最低賃金と同額を就業規則等に定めて

頂くことが必要になりますので、ご留意してください。

業務改善助成金は、専用のウエブサイトや最低賃金の特設サイトも用意され、

専用のコールセンターも開設されてます。

また、交付申請書等の提出先は労働局雇用環境・均等部になります。

人材確保等の観点から、賃金引上げの動きは今後も続くことが予想されます。

対象となる事業者については、積極的に業務改善助成金を活用して頂きたいとおもいます。

(参照:厚生労働省 業務改善助成金)

投稿者プロフィール

椿
特定社会保険労務士の椿です。
ファイナンシャルプランナー、両立支援コーディネーター、ハラスメント防止コンサルタントでもあります。
休日は友達と好きなアーティストのライブに出かけてリフレッシュしています。